カワなかjuku

田舎の塾の人です。

「なんで?」って何で?

 

敢えてこんなタイトルにしてみました。今回僕が考察したのは、生徒の「なんで?」という質問に対してです。中学から高校まで見ていると、毎日多くの質問が飛んできます。質問は、あるあるだね〜、と思うものも多いですが、そんな所に気づいたのか!、そこまで考えられたのか!、と成長を見られるものもあり、大切にしています。ごく稀に、他所で間違いを習ってきて違和感を感じての質問があり、修正作業になったりもしますが…。どのような質問でも、生徒との大切なコミュニケーションです。

 

ところが、生徒からの質問は大歓迎なのですが、中には相手にしない質問もあります。非常に厳しい言い方ですが。あくまで質問自体を相手にしない、ということです。質問されたからといって、何でもかんでも答えるべきではない、そう強く思います。なぜその質問が出たのか?、そこまで考える必要があります。

 

知的好奇心から出る「何で?」

知りたいタイミングを逃さない事は重要です。調べる手段は教えて、ツールも与えてあるので、質問の多くは、知りたくて調べたのにわからないこと、が大半です。若しくは、自分では判断のつかないものです。どちらも、知りたい、という知的好奇心から出てくる質問です。この類の質問には丁寧に即座に対応します。そして、質問することで生徒の興味が増すことも多くありますし、何より指導者自身の勉強にもなります。

 

逃げの「なんで?」

相手にしない質問というのは、生徒の「逃げ」が見える質問です。その質問には絶対に答えません。ですが、アルバイトの講師、中には社員でも答えてしまっている人を見受けられます。しかし、それでは生徒の「逃げ」を助長してしまうだけになってしまいます。

 

逃げの「なんで?」とは?

逃げの質問、というと具体的にどのようなものでしょうか?種類は色々あるでしょうが、ここでは2つの例をあげてみます。

1つ目は、難易度が高すぎるが故の「なんで?」です。勿論、順序立った説明があることが前提条件です。それがあっても、なんで?なんで?、と口をついて出るのは、その分野の前に絶対に躓きがあります。基本的な事を理解してない、覚えていない、そんな状態で先のことは分かるはずがありません。戻ってもう一度確認すべきです。しかし小さなプライドが戻ることをなかなか許さない時もあります。そんな時に、どうしても口をついて、なんで?、と言ってしまうことがあるでしょう…。そんな、なんで?、に面と向かって熱心に説明したとしても永遠にループになります。だからこんな質問は相手にしません。そこからどう意識を変え指示を出すかは、指導者の腕次第、ということになるのでしょう。

 

2つ目は、これが一番言いたいことなのですが、暗記からの逃げ、です。多くはこれに該当すると思っています。どの科目でもそうですが、最低限の暗記事項は存在します。ですが、暗記を出来るだけ避けたい、どうにかして楽に済まそう、と暗記をすることから逃げようとする生徒もいます。そんな生徒の多くは基本事項すら暗記出来てない段階です。本人の意識無意識は別として、「これ先生は説明できるのか?」という検討違いな挑戦のような考えもあるかもしれません。そこで指導者が説明出来なければ、本人の中では暗記しなくてよい理由にもなり得ます。仮に説明したとしても、オレは理解出来てない!、と、こちらも逃げの理由になります。下手に答えるようなことをすると、かえって逃げの助長になるわけです。このように、自分の一番弱いところを見ず、するべき事から逃げているだけの場合もあります。

 

暗記

ここから話を発展させると、現在の、暗記より理解を!、という風潮は如何なものでしょうか…?暗記をイヤがる人の多くは、基本的な暗記をしようとすらしない人たちです。勉強の基本は暗記です。暗記というと反感を持つ方もいるかもしれませんが。パターン、経験、慣れ…言い方は色々ありますが、一言で言えば全て暗記です。私は英語をメインに指導しています。英単語も暗記です。確かに日本語と一対一で丸暗記することに対しては良く思っていません。ですが、前から流行っている、イメージばかりで覚えようもすることも良くないと思います。英単語も突き詰めれば、日本語に当てはまらないことの方が多いでしょう。何せ国も習慣も全く違う人たちの使う言葉です。完全に理解しようとすれば、現地に赴き、たくさん読み書きするしかありません。つまり感覚なわけです。それをある程度理解するのならば、近い日本語に置き換えることは一種の妥協点です。その一対一の訳も覚える力を無くして、イメージや感覚を掴めるのでしょうか?ましてやそれらを覚えて使えるでしょうか?…疑問が残ります。

 

まとめ

私が相手にしない質問というのは、要は、生徒が自分の弱さから逃げている質問です。2つの例をあげましたが、どちらも自分の弱さから逃げようとして出る、なんで?、です。中でも暗記からの逃げは、かなりの割合を占めると思います。もちろん、指導する側として、暗記の量が減るような工夫はすべきでしょうが、それを前面に出して、基本事項の暗記すら出来ていない生徒に伝えることは良くないでしょう。そんな逃げから出てくる質問には答えるべきではないのかも知れません。

 

今回は「なんで?」という質問を、何故?、するのか、という内容で書いてみました。最後までご覧いただきありがとうございます。

今後ともよろしくお願いします!

 

カワなか